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ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」感想③ (古川ロミオ編)

ロミジュリの感想も③になりました。今回はほぼほぼ古川ロミオについて熱く語っているだけのエントリになります。あとはダンスとプロジェクションマッピングに触れてるかな?観ている前提の書き方になってしまいますが、良ければお付き合いください。

①はこちら

②キャスト編はこちら

 

僕は怖い

雄大くんの『僕は怖い』は「漠然とした死に対する恐怖」だなって感じます。まだ死を明確に実感しているわけではないんですよね、でもどこか予感がしているような不安げな表情で歌い出して、後半になると恐怖の要素が強くなってくるような感じがします。歌詞の流れと歌い方の変化がよく合ってる。イントロでも死の気配を感じて背後を気にしていて、振り返りたいけれど振り返れないような動きをするのが印象的です。

そんなことを思っていたら、Wロミオ&死のアフタートークでおもしろいお話が聞けました。

ロミオと死の曲は3曲あるけれど(僕は怖い、憎しみ〜エメ、ロミオの嘆き)、「最初は感じるだけだった死が段々具体的になっていって、最後に薬売りという形で"見える"ようになる」という明確な振付のビジョンがあるそうです。だから、『僕は怖い』の段階ではまだ死が見えない。この振付は「ロミオから死が"見えない"ように」作られているそうです。

それを聞いてからこの曲を見ると、ほんとだ!見えてない!ってなります。間奏のボックスステップ(っていうとアイドルみたいだな…なんか1歩1歩4面向き変えて動くやつ)も見えないものを気配を頼りに探してるみたいだし、死が物理的にロミオの前にいることはあっても、ロミオの目線が死を追うことはなくて、"見えて"いないんです。小尻さんの振付めちゃくちゃおもしろいすごい。

雄大くんの『僕は怖い』から感じる「漠然とした恐怖」という印象も、このお話を聞くとまさにその通りだったんだなって嬉しくなりました。基本的に自分の感性に自信がないもので…笑

 

この曲は、雄大くんのブレスの使い方が効果的なのもおもしろいなあって思います。サビの「僕は怖い」の前に音ハメで息をのむみたいにブレスを取るから、そこまで含めて曲というか演技になってるような感じがしてお気に入りです。そんなに息が必要な部分でもないし、多分意図的にやってるんじゃないかなって思うんだけどどうなんだろう?気になる。

ここだけじゃなく雄大くんは動きを音にはめることが多くて好きです、前に何かで「音を使いたくなっちゃう」って言ってたことがあって、(分かる〜)って思ったのを覚えてます。見ていてすごくしっくりくる。

ブレスといえば、

神の怒りに触れた者達が 追いやられる行先が

のあと、死がロミオの胸に手をやるところでブレスと同時にハッするような表情をするのも好きです。ない時もあるんだけどタイミングかな?大貫さんとだとここがぴったりハマることが多くて好きです。

あと、ラストの「僕は〜、怖い〜〜〜うぉおおお〜〜おお〜〜」のところ(字にすると変だな)がブレスなしなのもすごいなあって…切る時もあるけど、見た中では怖いのあと切らないことが多くて。その後倒れこむ動きも、声と一緒に全て出し切って倒れこむみたいで、歌と動きがリンクしてる感じがして好きです。

 

舞踏会AB

めっちゃ好き…ロミジュリといったら世界の王みたいなところあるけど私は舞踏会の方が好きです。BGMだけど。笑

振付もめっちゃ好き、こんなやつ┐( ∵ )┌(なんか違う)。こちらはKAORIaliveさんですね。途中に入るストップモーションや、手振りのあとの2拍の休符みたいなバウンドする動きも好き。

このシーンのロミオはジュリエットにかける一言しか台詞がなくて、それ以外は全て動きや表情で伝える場面なのでまた違う面白さがあります。雄大くんの(やば!!ティボルトじゃん!!やっば!!!(⊙o⊙))って顔が好きです。笑

Bでティボルトに腕掴まれた時のロミオの足元がふらっふらなのも地味に好きです。雄大くんのロミオはこういうちょっと頼りない感じがいろんな場面で垣間見えるんですよね。乳母に肩を叩かれるところとか、決闘とか…一貫してておもしろいなぁ。

 

エメ

エメはとにかく死の配置の仕方が好きです。

エメ 君無しの エメ 未来など

もうこの世にはない 何があろうと

この部分でロミオとジュリエットが誓いを立てている時に、2人に当たっているライトの端に謎の影。出所をたどって上を見ると2人を見下ろしている死。

そのあと2人が舞台手前に移動して死の影が届かない位置になってから死が動いてセンターへ。最後にもう一度2人が舞台奥へ戻るとそこは死の影の中。自ら死の領域に入っていくような…寒気。ここまで考えて作られてるんでしょうか、すごいな…

 

憎しみ〜エメ

まずここのイントロで背景のプロジェクションマッピングの建物が2棟ほど溶けるのはなんなんですかね、それいる?そういえば『街に噂が』では奥の壁にハートが飛んでます。なんかフォトショップのブラシみたいなハート。だからそれいる?

この歌はとにかく振付が好きです。フラッと倒れこむみたいに踊る死とか、「眠れぬ」のあとの手をシャッシャってするのとか…やばい語彙がない…笑

そして何よりこれ

破滅だけが僕を待っている

誰より悲しむその人は

(ジュリエット)

エメ この命 エメ 果てようと

2人の魂だけは 引き裂けない

エメ

やっぱりここですよね。引き裂けないって歌ってる時の雄大くんの目は何かに憑りつかれたみたいな怖さがあります。ドセン入った時ほんとに怖かった。そして、自分の手を胸の前で握って左右に引っ張って、その手がパッと外れた時のハッとした表情。

握り合った手が離れてしまうこと、この「引き裂けない」という歌詞、何かに気付いた顔、そして音が止まるこのタイミング…もう寒気しかしない。ロミオはこの段階でもう死の予感がしているような…

ここで『僕は怖い』を思い返してみると

いつか来る終わりが 僕には見えるんだ

で同じ振りがあるんです。引っ張りあった手がパッと外れる。えっ、怖い、まさかここも繋がってたの……?なんかもう小尻さんが怖い

あとこれは完全に私の好みの問題なんですが、こういう曲のジャンッ!って最後の音でカッコイイポーズをされるとなんだかくすぐったくなっちゃうんですよね。でもこの曲は最後の音を使って走り去るんです、これ個人的にすごい好きです。なかなか最後の音ではけるってなくない?普通最後の音でポーズとってその後はけるよね?すごく好きです。

 

ロミオの嘆き

この背景には天使(仮)のプロジェクションマッピングが流れます、だからそれいる??左右に動く黒い天使…なんだかもやもやしたものに隠れてはいるけど一度気付くと気になって仕方ない…

この曲でやっとロミオと死がはっきりと向き合います。死が「薬売り」としてはっきり"見えて"いる。

お願いだ(→)薬売りよ(→)売ってく(←)れ(←)(←)の動きが好きです(伝わらない)。この曲は基本的に薬売り(死)がロミオを誘い込む動きが多い印象です。上の格ゲーのコマンドみたいなやつも、→→は死が寄って行って、←←←でロミオを引き寄せる、間奏で一瞬我に返って迷いが出たロミオに薬を持たせる。

 

ロミオの死

ロミオの最期で最後の歌です。本当に消え入るような優しい声で、恋人に語りかけるように歌い出します。まだジュリエットの死を受け入れられていないような。そして

終わりだ僕は去る 君の待つ国へ旅立つ

ここから歌い方が力強くなります。ジュリエットが戻らないことを理解し、死を決意した瞬間が鮮やか。

ここからの声は「鬱だ死のう」ではなく、「愛する人と共に逝く」という一種の前向きさすら感じる力強さがあります。でもそれがまた悲しくて…本当に深い愛が伝わってきて、何度見ても切ない気持ちになります。声色ひとつでこんなに違うんだなあ、すごい。

 

 

うーん、言いたいことを言いたいだけ勢いで書いたら全然まとまらなかった…笑

雄大くんの演技は奥行きみたいなものがあって本当におもしろいです。いろんな発見と納得感がある。

さてさて、東京公演もラスト2日。最後まで楽しんできます!