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夢ならいつまでも2人きりなのに

好きなものを好きなだけ

ミュージカル「黒執事」~NOAH’S ARK CIRCUS~ 感想

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生執事サーカス編、東京千秋楽おめでとうございました!連日サイド席開放、楽日はマチソワともサイドまで超満員でした。TDCホールって2000人規模でしょ…?すごい。本当に楽しかったです。

初日終わった直後に言いたいことだけ並べたすごく雑な記事を書きましたが改めてまとめてみます。

 

サーカスの話

今回はなんと言ってもサーカスです。まず目に飛び込んでくるのはピーターとウェンディの2本の布みたいなやつでぶら下がってアクションするアレ(名前が分からない)。正直これが好きすぎてずっと上を見ててあんまり下のダンスを見てませんでした、本当にワクワクが止まらない。ピーターの倉知あゆかさんといえば夏にブリミュで拝見したばかりなのでどうしてもピーターを見てしまう。あ~~かっこかわいい。ピーターとウェンディのおかげで縦もカバーできて、空間全体が使われているのがとても良かった。そういう意味では、虎のくだりのあと誰かしら上段に配置してくれたらもっと良かったんじゃないかなって気がします。最後が横しかないんだよなあ。

三津谷亮くんのダガーの一輪車はなんかあまりにも自然に歩くかのように乗ってるから、一周回ってなんか普通のことみたいな気がしてきました。絶対嘘です。何より、ダガーの一輪車も縦の高さと動きの速さがあるのでとても良いスパイスになってました。特にハーメルンのシーン。あそこ全員普通に地上に立ってたらもっと地味だっただろうなあ、スーって動くからあやしい感じも出てとてもいい。

サーカス団員以外にも、シエルが綱渡りをしたり、セバスとウィルが空中ブランコをしたりとにかく派手。原作読み返しながらどうするんだろうって思ってたけど、ほんとにやった!って興奮がすごかったです。個人的にウィルの

業務規定外のことなんてしない主義です

の後に、セバスが右足をトンッてしてから助走に移るのが好きです。

 

舞台装置の話

このサーカス編、セットがものすごかったです。上下2階建ての円形の舞台装置が内外2重になっていて、それぞれが中央の円形のステージに沿って回転する形で動きます。なんだこれ、コマ劇か?更にいくつかのパーツに分裂して、部分的に使ったりもしていて…使い方といい動かすタイミングといい、とにかく考え尽くされてる。これ地方の劇場もちゃんと入るんだよね?って心配になるくらい大掛かりでした。ただ、回を重ねる毎に段々揺れが大きくなってる感じがしてちょっと怖かったです。私の視野が広くなっただけならいいんですが…特に最初の警察のシーンで回転が止まる時の反動が怖かった。

そこにサーカスの電飾や火花の演出。TDCってあんな火花とかできるんですね、びっくりした。プロジェクションマッピングも使ってましたが、使い方が効果的で頼りすぎていないところが良かったです。昨今の殺風景な背景に映像を映すタイプの舞台はやっぱりなんだか寂しい。

それでも流石に最後の孤児院はプロジェクションマッピングかな~って思いながら見てたら、しっかりセットを作ってきてて…すごい、ここがあるかないかで印象が大違いですね。このシーンは細い筋になってるライトがいろんな角度で降ってくるのが幻想的でとても綺麗。ウィルのソロのライト使いも好きです。全体的に照明がかっこいいので引きでも見るべき。劇場変わったら変わるかもしれないけど。

義肢のシーンなんかでサーカスの裏側っぽい小道具がふんだんに置かれているのもいいなあと思いました、無くても伝わるところもこだわってくる。流石お金がかかってる。

 

音楽の話

曲は最初なんだか耳に残らなくて、うーん?って感じだったのですが、2日目以降は楽しくなってきました。

特に、ラストのセバスのソロ

生きるため選んだ地獄で罪を重ねてく 言われるまま他人を犠牲にして

ジョーカーが最期に歌うソロ

俺の右手これさえあれば皆を 幸せにできたかな なんてな 今更 ごめんな

あとドールの飴のソロ

心を開いてみたい 難しいことだけど叶えたいいつの日にか 繋いでみたい君とこの手

が好きです。やはりこの3人は役柄的にも聴かせてくれる曲が多かったですし、技術的にも安心して聞けました。ドールの曲はどっちもいいなぁ、皆~!おはよう~!からの曲もザ子役ソングな感じがかわいい。

最初ピンと来なかったのが初日だったからか初見だったからか分からないけど、もし後者だったらもったいないなあ。私は通うからいいけど、一度しか見ない人にインパクトを残せる曲があって欲しかったです。あ、あったインパクトある曲。協力できないNO!!!!!がMVPだと思います。輝馬くんうるさい(褒めてる)。

でもやっぱり、メインテーマ?明日って単語がたくさん出てくるやつ、あれだけはなんか…何度聞いても音そっち行くの?って感じが抜けませんでした。なんかハモリパートみたい。サーカス編のダークな感じを出したいんだと思うんですが、狙った不協和音というわけでもなく、1音1音の長さが一定で最後歌い上げるわけでもなくて、1幕終わりかつメインテーマにしてはなんだか記憶に残らない。スカピンと足して2で割って欲しい(スカピンは歌い上げすぎ)。歌詞も正直「明日」の印象が強すぎて明日が大事ってことしか覚えてない。

さあ夜が明ける全ては明日に さあ続いてく全ては明日へと

これの繰り返し。サビだけで4回も出てくるって明日大事すぎません?いや実際大事ではあるんだけど。

そう、個人的には曲よりも歌詞で引っかかる部分が多かったような印象があります。そもそもミュージカル曲の歌詞に英語って必要ですかね?ほとんどの曲に英語の歌詞が入っていたような気がします。特にセバスとビーストの曲なんてサビのビーストパートは英語すぎて何も分からない…歌詞の内容がパッと理解できなくなるので、その度に思考が止まって引っかかってしまう。使用人の歌なんかは典型的な音に対して言葉が多すぎるタイプの曲でした。そりゃあ歌いこなせればいいんですけど、歌詞を聞かせるミュージカルで歌うにはあまりにも難しい。こういうのって2.5次元ミュージカル曲あるあるだと思います。曲や歌詞のかっこよさと、内容を伝えることのバランスがイマイチ

なんかものすごいボコボコに言ってますが、一般的な2.5次元作品としたら十分すぎるクオリティです(こことても大事)。だからこそもったいなくて言いたくなっちゃうんですよね。。。

 

セバスチャンの話

今回も大変美しかったです。

正直私の感想はこの一言に集約されているのですが、これではただの頭の悪い盲目なファンなので(事実ですが)もう少し具体的な話をします。

私が初日に一番衝撃を受けたのはやっぱりサーカスでのダンスです。テンション上がりすぎて割とほかの記憶を吹っ飛ばしました。まさか生執事でこういうダンスが見られるとは…。セバスチャンが踊ってもおかしくないんですよ。だってサーカスだもん。ファントムハイヴ家の執事たる者この程度のことできて当然なんですよ。多分。

ショーダンスって感じの伸びやかで統率の取れたダンス。知ってる私これ宝塚でみたことある(1回しか行ったことない)。特に、1度上手に移動してくるっと回って下手に戻ってくるところの出だしのパッセから流れる感じな振りが好きすぎて無理(伝わらない)。シルクハットがよく似合うんですが、3日目あたりからここではかぶらなくなりました。この段階では正式に入団してないからですかね、あとからジョーカーが手渡してくれるようになりました。最初忘れたのかと思ってごめん。

びっくりしたといえば

大きな瞳に契約の証刻んだら最後二度と後戻りはできない

のところのシャウト。こういう歌い方は初めて聞いたかもしれません、すごい(語彙)

古川雄大くんは元々所作が美しい人ですが、セバスチャンをやる時はさらにもう一段背筋が伸びて肘を張るような印象があります。でも、リコリスの時のキビキビした感じよりも全体的に自然で、少し人間に近い感じがしました。

かと思えば、悪魔のシーンはリコリス以上に悪魔で…。ビーストとの曲とか、手の中で転がして向こうが落ちてくるのを待ってる感がとても良かった。なんていうか蜘蛛っぽい。そういえば、この曲の最後の

甘い言葉で誘惑し闇に そう引きずり込む 巧みに甘美に 密やかに

の部分が、冒頭のセバスソロのリプライズになっていることに5回くらい見てから気付きました(遅い)。

古川セバスの目は口ほどに物を言う感じが好きです。冒頭の曲でシエルが名乗った後にセバスが階段から降りるところで獲物から絶対に目を離さない感じがめちゃくちゃ悪魔っぽいし、入団テストのあたりでうっかりご主人様扱いしていけないいけないってなってるのとか、スマイルのスマイルにニヤニヤしてるのとか…ここに挙げたのは分かりやすい例ですが、喋ってない時の演技が本当に細かくてただ突っ立ってる時間が無いんですよね。誰かがしたことに対して必ず何かしらの反応があるので、今は見なくていいやってタイミングがない。他が見れなくて逆に困る。舞台上にいる間に無駄な時間が少しもなくて、今何を考えてるのか分かるところが流石だなあと思います。

そういえば今回もヴィンセントのシルエットは雄大くんですね。リコリスは動きが少ないから最初若干自信なかったけど今回は分かりやすかったです。雄大くんの所作はシルエットでも綺麗だなぁ。

 

それぞれのキャラクターについて

ほかのキャラクターについても思いついたところをポツポツ書いてみようと思います。

私、ジャンボがすごい好きでした。見た目は怖いけど良い人なんだろうなっていうのがすごい伝わってきて。フィニに謝るところももちろんなんですが、警官を殺した後にすごく複雑な顔をしてたのが印象的でした。いかつい外見に優しい心みたいなのずるいよね、なんかラピュタのロボット兵を見てる気持ちだった。これがギャップ萌えか。

シエル坊ちゃんはもう可愛くて可愛くて、顔があんまり可愛いから歌に期待してなかったのですが(偏見)思った以上に歌えてびっくりしました。ポーケットの中には金貨がひとつ♪も可愛い~~!のあとに、うまいな?ってなりました。あとラストの悲しい高笑いの演技がとてもいい。あんなに難しい単語がたくさん出てくる台本を覚えるのも大変だったろうに…私小6の時に醜悪なんて言葉知ってたかな…本当に末恐ろしい子供ですね。今後が楽しみです。

インド組も可愛かったです、「ご主人様に朗らかでいていただく」「フヘヘ」は何度見ても笑えます。ソーマのあのパタパタした歩き方が可愛いのと、アグニの姿勢の良さがカーンサマーらしくてとてもよかったです。っていうか端的に言ってアグニがかっこよかったです、立ち姿が綺麗(所作厨)。

重い話を明るくしてくれる存在はやっぱり重要ですね。アバハンの入れ方といい、シリアスとコメディのバランスもテンポもとてもよかった。アバハンのレパートリーはすごかったですね、少し間を開けて少し変えて持ってくるところが熟練の技って感じ。ただ、正面向かせる身体検査は色々とごまかせないので勘弁してあげてください。笑

シリアスもあればコメディもあれば、泣けるシーンもあります。一番泣けたのはジョーカーが皆に芸名をつける回想シーン。ジョーカーの優しい声とドールの俺には似合わねえよぉの泣き声…る…涙腺が…。ジョーカーも表情の演技がはっきりわかりやすいところが好きでした、特に最期の曲のラストの満面の笑みとそれが消える瞬間。一度ひたすらジョーカーだけ見る回を作りたかったなあ…あと5回くらい見られれば…

 

ケルヴィン男爵はマダムレッドなのか

サーカス編で、リコリスのマダムの立ち位置にいるのがケルヴィン男爵かと思います。じゃあ、AKANE LIVさんの立ち位置にいるのが小手さんなのかというと、これはノーだと思います。歌の人でない分、男爵らしい歌い方というのをかなり工夫されている感じがしました。半分は喋ってるような…この感じがケルヴィン男爵って感じでよかった。AKANEさんの代わりではないんですよね。そりゃ上手いに越した事はないけど、ケルヴィン男爵が歌い上げるのも…どうなんだろう、違和感ありそうな気がします。

ケルヴィン男爵は結構毎回印象が違いました。個人的には26日マチネがよかった。「お父様に口答えするの?」のあたりが見た中で一番高圧的じゃないというか、従わせようとしてる感が無かったんですよね。この人は本当は普通の人だったんだなって感じが強くて、なんだか不思議な悲しさがあって好きでした。

 

 

 

公演期間中に細かいところがブラッシュアップされていたのが印象的です。上に出てきたシルクハットのタイミングもそうですし、メイリンのスカートが変わったり、ワイヤーのスタッフさんに衣装がついたり、空中ブランコのSEが増えたり…ワイヤーのスタッフさんの件は多分アンケートの内容をすぐ取り入れたんじゃないかな。やっぱりもっと良くしようという姿勢の見える制作は好きです。

 

本当に楽しい1週間でした。大千秋楽まで皆さんケガなく終われますように!