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夢ならいつまでも2人きりなのに

好きなものを好きなだけ

ミュージカル「黒執事」-地に燃えるリコリス2015- を振り返って感想

舞台感想

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ミュージカル「黒執事」~NOAH’S ARK CIRCUS~まであともう10日ほどです。ソワソワ落ち着かなくてこの記事を書き始めました。

昨年雄大くんがセバスチャンをやると聞いた時はびっくりして飛び上がった勢いで土下座するようなテンションでした。2.5次元?!っていうか黒執事?!セバスチャン?!燕尾服?!?!ってなったものです。どう考えても最高じゃあないですか。

2.5次元作品への出演ですが、別に久しぶりでもなかったんですよね、2015年は年始にSAMURAI7がありました。DVD買わなきゃと思っていたらいつの間にかどこにもなくてびっくりしたものです…買ってないのに…配信してくれたのはありがたいけど普通に再販して欲しい。

買ってないといえば、2012年エリザベートの時のルドルフ写真集…あの頃の私はまだ東宝に足を踏み入れていなかった…私の歴代後悔TOP3に入ります。誰か余ってたら売って欲しい。本当に。2万くらいなら出せます。

 

話がそれました、生執事の話をします。

ミュージカル「黒執事」-地に燃えるリコリス2015-は、エンタステージアワード2015の2.5次元部門で3位を獲得しています(エンタステージアワード2015結果発表!! | エンタステージ)。発表の時には3位か~!って思いましたがこのラインナップなら仕方ない。デスミュは「あ、言われてみれば確かに2.5次元だったわ」って感じだし、テニミュテニミュですからね。その次に黒執事ってすごいと思う。2016の1位は王家の紋章になるかな?

 

ここから私が感じたリコリス2015の話をします。若干盲目かもしれませんが、話半分に読んでいただければと思います。

 

私がリコリス2015を見た時まず思ったのが、「あ、私今日ミュージカル見たな」でした。

リコリス2015の素晴らしいところは、漫画原作の2.5次元作品であることとミュージカルであることを両立しているところだと思っています。これができている作品というのは意外と少なくて、若手俳優主体のミュージカルというのは往々にして2.5次元ミュージカルという一種の演劇ジャンルに収束してしまう節があります。それが悪いとは全然思わないけど、2.5次元だってここまでできるんじゃないと思わず舌を巻きました。(これは「黒執事」という一種のクラシカルさみたいなものを持った作品だからこそできたことかもしれません。)内藤大希くんが自分を「似非ミュージカル俳優」と言った時に、言いたいことが分かって辛かったのを思い出します。レミゼ出演決定おめでとう!絶対観に行きます。

リコリス2015は、原作に忠実でありながらひとつのミュージカル作品としてのクオリティも高い。「そうだよ!私が見たかったのはこういうのだよ!」と興奮しながら家に帰って、アンケートの裏面びっちり全部使って絶賛して大事なところに下線まで引いて次の観劇の時に突っ込んだりもしました。

 

作品の雰囲気に合った高級感

今回のリコリス2015は、総括すると「正統派」という印象の強い仕上がりでした。

作品の19世紀ロンドンという世界観を崩さない重厚な舞台装置。金もかかってりゃ品も良い。そう、とにかく品が良いのです。なんていうか、オケピがあっても不思議じゃない雰囲気。初演は大きなチェスの駒がパカッと割れてセバスが登場して若干動揺したりしましたが、今回はひたすらストレートに、黒執事の暗さとか重さとかを重視して作ってきたような感じがしました。ACTのだだっ広さと高さを余らせない、でも空間は広く重いなんとも絶妙な配置。2.5次元でここまでできるの?!これは確かにACTでやるわと納得したのを覚えてます。

そして脚本。今回は笑いとシリアスのバランスをかなり調整してきた感じがしました。笑いはアバハン(と子爵)に集約して、メインのストーリーは1本しっかり通してきたような。だからこそ笑いが映えるし、一つのまとまった物語を見たという満足感がありました。私は今回の余計な部分を削ぎ落として真っ向勝負を挑むような演出がとても好きでした。

唯一初演から気になり続けているのは、アンサンブルのドレスがなんとなくダサいこと…袖のヒラヒラとか布の光り方が安い…ここが解消されてたらもう何も文句は無かったのにと思うと惜しいなぁ。

 

適材適所のキャスティング

キャストのレベルも総じて高かったと思います。もともと生執事はレベルが高いと言われているようですが、その理由のひとつにはやはりAKANE LIVさんの存在があったと思います。彼女なくして地に燃えるリコリスは語れない。

それに古川雄大くん、広瀬友祐くん、矢田悠祐くんは帝劇経験者(矢田くんは生執事よりあとだけど)ですし、植原卓也くんも東宝常連ですもんね。ほかのキャストも安心と信頼の技術力ですし、実力派といって遜色無い、若手俳優という枠から出た人たちが集まっていたと思います。

それでいて、キャラクターをキャラクターとして浮き立たせているところが2次元作品を舞台化する意味をしっかり果たしていました。グレルといい、マダムといい、ドルイット子爵といい、いわゆる「ハマリ役」の人が多いんですよね。そんな人たちが技術も持っている。鬼に金棒とはこのことです。そこに更にアクセントをつけるアバハンや使用人のバランス。髙木俊・寺山武志ってもう名前見るだけでおもしろいだろうなって気がしてくるじゃないですか。この名前の並びを見て「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」を見に行こうかと考えたりもしましたし。(結局都合がつかなくて行けなかった…)

サーカス編はまた個性的なメンツが揃いましたね、個人的に陳内将くんがとっても楽しみです。陳内くんは本当に演劇が好きなんだなというのがヒシヒシと伝わってくるところが好きです。すぐキスするけど。AKANEさんがいないのはちょっと不安ですが、でも松井月杜くんがいるし~!なんて思っていたら変声期だそうで…月杜くんの歌聞きたかったなぁ…待ってるからきっとまた素敵な歌を聞かせてね。

 

画面の中の黒執事

リコリス2015のすごさは舞台の上で終わりませんでした。DVDのカメラワークがとにかくすごい。一体どれだけの金と時間をかけたらこんなものが出来上がるんだ?!感謝の意を込めて(?)2枚目を購入しました。制作は安心と信頼のビスケ。ビスケの映像はどれも素晴らしいですが、今回は飛び抜けてすごかった。私は映画でも見てるのか?

抜いて欲しいところを抜いてくれるカメラワーク、見せない方がいいところを見せないカメラワーク、突然どんな角度から撮ったんだよって絵を突っ込んでくる自由自在さ、最前の前にはテニミュでよくみるあのレールで動くカメラ。舞台が映像化された時によくある「そのダンスは引きの絵で見せてよ!!」というイライラもない。特に素晴らしかったのが、後ろの人の表情を効果的に入れてくるところ。シエルの後ろのセバスの表情、シエルの後ろのマダムの表情、そういうところをただ抜くだけでなく、きちんと意味が通じるような絵に切り取ってくるところ…もうありがとうしか言えない。

しいていうなら、絶望の果ての「今すぐに」のところのセバスがお辞儀するみたいな振りも抜いて欲しかった。私が好きなだけです。特に文句はありません。

 

 

さて、ここからは古川セバスの話をします。

私は雄大くんの動作が好きです。それはダンスでなくてもよくて、歩き方、立ち方、手の動かし方、止まり方、そういう普通の「動き」が好きなんです。私はよく所作フェチを名乗っているんですが、初めて雄大くんを見た時は、こんなに優雅な動きをする人がいるんだと衝撃を受けたものです。セバスチャンはそういう私の「好き」が全部詰まった役でした。なので、雄大くんの話をしますなんて前振りしておいてどこが良いとか言えないんですよね…もうなんか全部良かった…。いつもより少しピンと伸びた姿勢がまた綺麗で。なんかもう普段から燕尾服着てるんじゃないのって感じでした。

私が楽しみで楽しみで一周回って吐きそうだったワルツのシーン。もうこれを見るためだけにお金払えます。価格設定3万とかでいいから古川セバスとワルツを踊れるイベントとかやってくれないですかね。踊ったことないけど。練習します。

セバスはグレルとのアクションシーンがあります。私、雄大くんのアクションらしいアクションってあんまり見た記憶がなくて、正直想像がつきませんでした。え、雄大くんそんなに機敏に動けるの?と。古川セバスのアクションは、相手の力を受け流して利用するような、なんというか物理とか重力を感じさせないアクションでした。分かる。セバスチャンこういう動きしそう。

そして話題(?)の悪魔と執事の演じ分け。私は普段から雄大くんの解釈や表現について全面的な信頼を寄せているのですが、今回も期待を裏切らない、そして予想を上回るものを見せてくれたと感じています。ラストを締めくくる暗転前のニヤリ顔といい、雄大くんのこういう細かい演技が残す余韻が好きです。ああ、だから雄大くんのファンをするのは楽しい。

大して内容のあることが言えないことが分かったので今回はこのへんで終わりにします。また何か思い出したら書くかもしれない。 

 

 

私は、2.5次元も好きだからこそ、「今回は2.5次元」「今回は東宝」みたいな頭の切り替えをしながら見ているところがあります。ターゲットも違えば目指すところも違うし、それぞれに楽しみ方がある、同じ前提で語るものではないと思っています。でも生執事はそういう意識をあまりしなかったというか、両方のいいとこ取りみたいな感覚でした。

2.5次元らしい日替わりなんかもありつつ、芝居やセットもレベルが高くて…ハイレベルな2.5次元かつライトな正統派ミュージカルとでもいうんでしょうか、どちらの畑から来ても馴染みやすいし、あまり舞台を見ない人が初めて見るにも安心、いろんな人に見て欲しいと思える作品でした。

 

11/18からミュージカル「黒執事」~NOAH’S ARK CIRCUS~が始まります。今回はどんな生執事の世界を見せてくれるのか、今からとっても楽しみです。