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雪組公演『ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』感想

ご無沙汰しております。ここ数週間何をしていたかと言うと、次の舞台に向けて必死で本を読んでました。

そして……

 

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ついに、ひかりふる路、見に行ってきました……!

なんかもう初めて尽くしで数日前からソワソワしっぱなし。遠足前の小学生。

人生初の宝塚大劇場だったんですが、建物の中に飲食店が何個もあるしグッズ売り場もなんか種類があるし…日帰り遠征でバタバタだったのでキャトルレーヴしか行けなかったんですが(ちゃっかり舞台写真は買った)次回はもうちょっと探検したいです。誰か一緒に行こう。

 

 

幕が開いてまず目に飛び込んでくる斜めに光る1本の線。

うわーーー断頭台だーーー

斜めの線がいろんなところに使われていて、動く背景に赤いラインが入っていたり、橋の影が斜めに描かれていたり……そうか、衣装のあの斜め線もそういうことだったんですね、次はもうちょっと注意して見よう。

 

最初にロラン夫人とタレーランの会話があり、国民公会でのサンジュストの処女演説が始まります。揉めに揉めたルイ16世の処刑について、議会を大きく動かした名演説。

そしてルイ16世の処刑が終わり、ダントンに呼ばれてせり上がってくるロベスピエール

な、生の望海風斗さん………!!!

ほ…本物だ……初めまして……(?)噂に違わぬ、映像で見ていた以上の歌……と思いながら見ていたかと言うと実はちょっと違って。なんていうか、上手いとかわざわざ意識しなかったというか、歌から「上手い」のゴリ押しを感じませんでした。上手い!圧倒的!って印象というよりは、自然にクオリティの高いノンストレスな歌って印象というか……そうか、これが上手いってことなんだな……すごい。

というのも、ワイルドホーンだからもっと胃もたれするかと思ってたんですよね。私去年とある作品で胃もたれして帰ってきたんですが、今回は全然そんなことなくて!望海さんの歌は、なんか上手く言えないけどほんと会話みたいで……感情に紐づいてるというか。歌い上げます!って歌い方のシーンってそんなに多くない印象でした。それぞれがお芝居で……ああ好き。

 

そしてまた真彩希帆さんの歌。真彩希帆さんの歌は制作発表とブリドリと……あ、あと花組エリザベートで一瞬いた!そのくらいしか聞いたこと無かったんですが、いやめっちゃ上手いな?!高音すっごい綺麗だしこちらも芝居歌のできる方で……あとめっちゃ可愛い。

コーラスもものすごい厚みがあってびっくりしました。確かに宝塚って人数多いけど、それだけでこんなに圧が出るものなんですかね?他の宝塚作品をそんなに生で見たことがないので分からないけど、ド迫力ですごかった……!

このトップコンビでロベスピエールという題材をやってくれることにもう感謝しかなくて……ありがとう……ありがとう……悔いなし。

 

 

※この辺から、観たものと考察と願望がごちゃごちゃなのでご了承ください。舞台の感想というよりは、この作品におけるロベスピエールについての感想です。ネタバレしかないです。

 

さて、ロベスピエール拗らせオタクが気にしていたロベスピエールの解釈違いについて。

結論からいえば、私はオッケーです!!!

正直今回はこの作品におけるロベスピエール像を探りながら脳内フル回転で見てたので、純粋にストーリーを楽しむ余裕がなくて……なんかいろいろ考えながら見てたから記憶がすり変わってる気もする……笑 次回は安心して作品として楽しんでこようと思います!

そんなわけで、(なんか都合よく捏造してそうだけど)現時点でのロベスピエールについての感想とか。

 

 

見る前に私が気にしてたのは以下の2点でした。

  • 「愛の為に世界を変える」とは
  • エベール派無しでの恐怖政治の描かれ方について

 

「愛の為に、世界を変える。」

この煽り文句を見た時に私が不安だったのが「マリー=アンヌとの恋愛」の比重でした。

マリー=アンヌと結ばれるために世界を変えるの?今の世界では愛し合えない理由があるの?まさかマリー=アンヌが貴族だから?っていうかロベスピエールが貴族と恋愛するの?私はロベスピエールには理想のために世界を変えてほしい……。端的に言えば、恋に現を抜かすロベスピエールなんて……という駄々。

でも観てみると、確かにマリー=アンヌと恋に落ちたことで決意を新たにするんだけど、「誰もが平等に愛し合える世界の実現によって自分たちも幸せになれる」という描かれ方の印象でした。同じ境遇で、理想に共感して、恋の始まりにはそんなに違和感ありませんでした。身分違いの恋を成就させるために平等な社会を作るんだったらどうしようかと思った……別にそんなに恋に現を抜かしてなかった!よかった!

それに、ダントンにそろそろ結婚しろと言われた時は「今は革命を進めなきゃいけないからそれ以外のことは考えられない」と言うし、ダントン邸のやりとりでは「まだ不幸な人がいるのに自分が幸せになってはいけない」とも思ってる。そう!!!私はそういうロベスピエールが好き!!!この2つのシーンで私は生田先生と和解(?)しました。ありがとう生田先生。

この「愛」の為にっていうのは、マリー=アンヌとの恋愛であるのと同時に、恋愛に限定されない人間愛なのかなって考えるとなんだかストンと落ちる感じがします。自由と平等、そして生存権を主張し続けたロベスピエールらしい思想……うーん、ちょっと願望に傾いてるかな?笑

 

 

エベール派と公安委員会と恐怖政治

恐怖政治って別にロベスピエールが1人でやったんじゃないんですよ。

公演解説 | 雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』『SUPER VOYAGER!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

ひかりふる路の相関図でいうところのジャコバン派を更に細かく分けると、相対的に右派のダントン派、中道左派ロベスピエール派、極左のエベール派がいます。「エベール派っていってもエベールって人いないじゃん?」って思うじゃないですか。そう、いないんですよね。だから心配してたんです。

エベールはジロンド派追放から恐怖政治開始の頃にめちゃくちゃ調子良かった人で、恐怖政治は民衆やエベール派の要求で公安委員会が開始したものです。確かにロベスピエール公安委員だったので恐怖政治をする立場でしたが、公安委員って12人くらいいるんですよ。今作の登場人物だと、サンジュストクートン、デルボワ、ヴァレンヌも公安委員。別にロベスピエールがやりたいって始めたわけじゃないし、独裁もロベスピエールの個人独裁でなく公安委員会への権力集中による独裁です。ただロベスピエール国民公会の選挙で1番当選するくらい民衆人気の高い人で、発言の影響力がすごかった、つまり目立ってたんです。

 

……と前置きをして、じゃあそれが今作で伝わったかと言うと……難しいですかね。いやね、実際1幕でそこまで描くのは無理だろうなと思っていたし、創作物において脚色はあって当然だとは思ってるんですよ。でも、ロベスピエールは悪くないもん派に属しているのでとりあえず一度言わせて欲しい。笑

ダントンの機密交際費の件で仲間の裏切り(ではないんだけど)にあったのをきっかけに、ジロンド派の追放とダントンの辞職を求め、恐怖政治に堕ちていくという描かれ方。絵に描いたようなドラマチックな闇堕ち!でもその裏切りが本当は裏切りじゃないので理由としてはちょっと弱いのかな……ううむ。ほかの人にはどう見えるんだろう。

 

ロベスピエールとダントンとデムーラン

でも、私はそこまで違和感なかったんですよね。というのも、ロベスピエールは「私が革命を守る」と歌いながらも、そこに断固たる決意みたいなものは感じなくて。やっぱりまだ友を切り捨ててしまえるところまでは行っていないような……まだ完全な闇に堕ちてしまったわけじゃないのかなって。

だってロベスピエールだって、ダントンがほんとに裏切って他国にお金を流してたなんて思ってないと思うんですよ。でも証拠がない。証拠がないのにダントンを信じる理由は友情以外のなにものでもなくて、それはロベスピエールが自分の正義を貫く限り選べない選択肢で。

ダントンの辞職は求めても告発はしない、デムーランの新聞を刷ってる印刷所は告発してもデムーランは告発しないで発言を慎むよう要求する。自分の正義ギリギリのところで最後まで友人を告発することを避けてるんだと思うんですよね。

後半のロベスピエールの悩んで苦しんで疲れ果てていく様子が素晴らしい……心と体がバラバラになっていくみたい。こういう描かれ方なら私は全然ありです。ああ……ロベスピエール可哀想……ほんとに眉が八の字。私望海さんの八の字眉毛すごい好き。

 

そして極めつけはダントンの「ロベスピエール後に続け、先に行って待ってるぞ」

処刑前のダントンの言葉って、基本的に「ロベスピエール、次はお前だ」という表記をされるんですよね。内容は大きく違わないのにニュアンスがこうも変わる。ロベスピエールを不幸から救えなかったダントンの最期の台詞として、この台詞に起こしてくれたのがもう……ありがとう生田先生。

 

 

ロベスピエールサン=ジュスト

ロベスピエールと同じくらい楽しみにしてたサンジュストサンジュストの何が重要って、圧倒的なビジュアル値とロベスピエール信者であるところじゃないですか、美しくないサンジュストなんて許されないわけで。ハイ、まず朝美絢さんの時点で観劇してもいないのにビジュアルで100点。そこから更に加点の嵐……そう、

サンジュストが強火すぎて最高でした。

処女演説が終わって、ジャコバンクラブでロベスピエールと対面して、マクシムって呼んでって言われた直後、

「ダントンは偽物だ」

はやい!!!本性出るのはやい!!!この台詞自体は稽古場映像とかでも見たけどこんな早いのかい!パリに上がる前からロベスピエール信者で熱烈なファンレターを送った彼なので私は違和感ないんですけど、この作品だけ見た人はどう思うんだろ?イキリ新規じゃない?(嫌いじゃない)。そりゃサンジュストなら銀橋でロベスピエールを抱き締めるくらいするよ(※個人のサンジュスト像です)。しかもこの時ふわっと触れるか触れないかくらいなのがまた……彼にとってロベスピエールは聖域なんだ……あーーーめっちゃ好き。天才。

そしてダントンを処刑したあとの綺麗な笑顔……ダントンを処刑してしまったことでロベスピエールが完全に壊れちゃうのにね……皮肉なものだなぁ。

 

 

舞台の感想っていうかロベスピエールについて語ってるだけになってしまった……きりがないので一旦この辺で。

次回はもう少しロベスピエール固執せずに観てきたいと思います!